藤原道長展

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5月27日まで、京都国立博物館。時の最高権力者・関白の藤原道長は、寛弘4年(1007)、自ら書写した経を金銅の経筒に収め、大和・金峯山に埋納しました。弥勒が出現する56億7000万年後まで残すつもりだったといいますから、大阪万博タイムカプセルの「5000年後の人類に遺す」などは、かわいいものです。しかし、保存技術が十分でなかったために、約1000年後に掘り出されたときは、紺紙金字の華麗な経はいたんで、半分くらいしか読めなくなっていました。万博カプセルのほうは、1970年当時の先端的保存技術が総動員され、大阪城天守閣南の地下に眠っています。こんどの展覧会は、金峯山埋経1000年記念展です。
何よりも道長の日記、国宝「御堂関白記」の実物が見ものです。道長に限らず多くの貴族が盛んに日記を書いたので、紫式部や清少納言が活躍したこの時代のことは、かなり具体的に詳しくわかっています。そのほか、道長をめぐる貴重な文献、仏像、絵巻などがどっさり。「この世をばわが世とぞ思ふ望月のかけたることもなしと思へば」と歌っのも、さこそと思われる、絢爛たる王朝文化の数々です。
by yagi070 | 2007-04-28 13:05 | 展覧会
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