カテゴリ:文楽( 5 )

文楽

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吉田玉男が他界してから、しばらくごぶさたしていた文楽を、久しぶりに観てきました。第2部の「国性爺合戦」(こくせんやかっせん)。近松の大当たり狂言で、明朝末期の中国を舞台に、日中混血の英雄、鄭成功(和藤内)が活躍する、構想雄大な作品ですが、さて、現代の若い観客に喜ばれるかどうか。主要人物の女性2人の命の捨て方も、理解しづらいのではないでしょうか。幼いころ「笹持って走るは和唐内」などと、わけもわからずに歌っていた私には、なじみの芝居なのですが。
第1部は「七福神」「金閣寺」「新口村」の3本。1月24日まで。14日から昼夜入替え。15日は休演です。
by yagi070 | 2008-01-06 08:58 | 文楽

文楽4月公演

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4月公演(23日まで)は、三味線・鶴沢燕二郎の6世燕三(えんざ)襲名披露公演です。住大夫の襲名口上は、本舞台ではなく「床」から。披露狂言は「ひらかな盛衰記」の「松右衛門内から逆櫓(さかろ)まで」。師匠の5世燕三が出演中に倒れた最後の狂言だけに、新燕三の三味線はすさまじいばかりの力演です。咲大夫の声量も腹にこたえます。義経に滅ぼされた木曾義仲の嫡男の悲劇で、樋口次郎は勘十郎。
もう一つは、能の「安宅」から歌舞伎になり、明治に文楽に移された「勧進帳」。文吾の弁慶。7丁の太棹三味線の大合奏が聞きものです。
第2部(13日から昼夜入替、12日は休館)は、文楽3大狂言の一つ「菅原伝授手習鑑」の「車曳から寺小屋まで」。
by yagi070 | 2006-04-10 19:06 | 文楽

文楽初春公演

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竹本住大夫文化功労者顕彰記念公演(25日まで)です。2部の「桜鍔恨鮫鞘(さくらつばうらみのさめざや)」と「妹背山女庭訓(いもせやまおんなていきん)」を見てきました。
「桜鍔」は通称「鰻谷(うなぎだに)」。今は長堀通のひとつ南、鰻谷が舞台です。元武士の亭主が主家のための金の工面に苦労しているのを知った女房が、娘もいるのに離縁し、再婚して金を調達しようとし、亭主に心ならぬ愛想づかし。逆上した亭主が、妻とその母を斬殺する悲劇です。文字が書けない妻が、遺言を娘に口述して暗記させている、というのがユニークな着想。
「妹背山」は「道行」から「金殿」まで。「大化の改新」の蘇我入鹿暗殺がテーマの壮大な歴史劇ですが、今回は、一人の男(人形ですからイケメンの極致)を熱愛する二人の娘(町娘のお三輪と、高貴な橘姫)の情熱がほとばしるような舞台が眼目です。吉田簑助十八番のお三輪の狂わんばかりの恋情表現に、毎度のことながらうなってしまいます。咲大夫・燕二郎のコンビも上々。86歳、吉田玉男、今回も病欠を若手が懸命に埋めています。義太夫には「恋人」という語が再三出てきて、これが古い言葉だということがわかります。
by yagi070 | 2006-01-05 12:30 | 文楽

文楽11月公演

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1984年に大阪の国立文楽劇場ができてから、今回が100回公演。それを記念した「本朝二十四孝」の通し狂言です(27日まで。16日は休館。昼夜入替なし)。今日は前半の第1部を見てきました。足利将軍の暗殺事件(将軍義晴は渡来したばかりの種子島で撃たれて舞台で死にます)をきっかけに、複雑怪奇でスリリングなストーリーが展開。武田信玄・勝頼、上杉謙信・景勝、山本勘助、斉藤道三ら歴史上の人物が次々に登場し、ぼんやり見ていては、人間関係がのみこめず、わけがわからなくなります。謀略あり、恋あり、盛り沢山の見せ場がめまぐるしい、超大作。私も大序から通しで見るのは初めて。人間国宝の人形遣い、吉田玉男は病欠。高齢なだけに気がかりです。難役・勘助の母は、桐竹紋寿が代演。
文楽劇場の電話予約のシステムが変わり、大阪の客が大阪の劇場の予約をするのに、東京へ電話しなくてはならなくなりました。とかく文化庁のやることは、自分たちの仕事の都合が第一で、観客の便利は二の次ですね。
by yagi070 | 2005-11-07 18:45 | 文楽

文楽4月公演

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国立文楽劇場の文楽4月公演を見てきました。文楽劇場の本公演はほとんど欠かさず見ているのですが、この新春公演は忙しくて行けなかったので、ことしは初めてです。
まずは「楠昔噺」(くすのきむかしばなし)。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に、の桃太郎昔話で義太夫は始まります。舞台は、端午の節句の河内・松原。「ちまき」をつくる所作もあります。老夫婦にはそれぞれ連れ子があり、おじいさんの息子は宇都宮公綱、おばあさんの娘の婿は楠正成。一家は南北朝の対立に巻き込まれます。老夫婦が命を賭けた説得にも、二人の武将はにらみ合ったまま、老夫婦が無残な死を遂げる結末となります。「どんぶらこ」の愛称がある初幕の、玉男と文雀、二人の人間国宝の遣う老夫婦が、とてもいい味でした。床は、咲・千歳・十九大夫。咲大夫の軽妙さが、新発見。
つぎは「艶容女舞衣」(はですがたおんなまいぎぬ)。「いまごろは半七つぁん、どこにどうして」のお園のくどきが超有名な「酒屋の段」は、よく上演されておなじみですが、つづく「道行霜夜の千日」の心中場は、26年ぶりだそうです。追いつめられた三勝・半七の二人は死を決意して、上汐町から千日前・法善寺に向かいますが、ちょうど、文楽劇場のある場所を通ることになるので、この道行は妙に現実味があります。乳飲み子を残しているところが、ほかの心中ものとは、おもむきを異にします。お園は文雀。キリは綱大夫。子息・清二郎の三味線が冴えています。
なお、ことしから舞台上方に「字幕」が出ることになり、パラパラ台本をめくる手間がはぶけ、むずかしい語りの文句もよくわかります。
国立文楽劇場はこちら
by yagi070 | 2005-04-18 19:38 | 文楽