季節の壁紙~オオマツヨイグサ

季節の壁紙~オオマツヨイグサ_d0003725_18573414.jpg

オオマツヨイグサ(大待宵草)
通称「月見草」または「宵待草」。ほんとうの「ツキミソウ」は、白い花の別種。竹久夢二の「待てど暮らせど」も、太宰治の「富士には月見草がよく似合う」も、みんなこの黄色いオオマツヨイグサ。この仲間は、しおれると花が赤く変色するものがあるので、酩酊して顔が赤くなることにたとえ、学名の「オノエテラ」はラテン語の「オイノス(酒)」と「テラ(飲む)」から。「月見草」よりも「月見酒草」といったほうがよいかもしれませんね。明治の初めにアメリカら来た花ですから、古典には登場しません。
夢二の歌の楽譜は、3版までは「待宵草」だったのですが、4版からは「宵待草」に変わりました。そのほうがゴロがよいと、夢二が考えたからでしょう。この歌は一番しかなかったので、西条八十が二番を補作したのですが「宵待草の花散りぬ」とやったために、「宵待草の花は散らず、シボムだけ」と苦情が出て、「宵待草の花の露」と改めました。ほかの歌では「はるかに海のみえる丘」の童謡「月見草の花」もいいのですが、私は「夕霧こめし草山にほのかに咲きぬ黄なる花」の高等小学校唱歌「月見草」が大好きです。
「月の光を浴びて咲く」といいたいところですが、そんな写真はとても手に負えませんから、これは真昼間に撮りました。
by yagi070 | 2006-06-05 19:26 |
<< 季節の壁紙~ゴデチア 藤田嗣治展 >>