京都御所障壁画展

京都御所障壁画展_d0003725_1526927.jpg
京都国立博物館の「京都御所障壁画展」(2月18日まで)を見てきました。京都御所は嘉永7年の火災の翌年、安政5年(1855)の造営の際、当時の京都画壇から97人の画家が腕をふるい、1800面の障壁画を制作。今回はそのうちから、御常(おつね)御殿と御学問所の200点の初公開です。あまりなじみのない画家ばかりですが、幕末日本画壇のレベルと傾向はわかります。旧江戸城へ移るまでの明治天皇の寝室は、4面が「虎」の絵で囲まれていたこともわかります(タイガース・ファンは喜ぶべし)。
京都御所といえば、私は終戦直後の小学生のとき、選ばれて女子生徒と二人で、御所を見学したことがあります。たぶん抽選に当たったのでしょうが、たしか京都の夕刊紙の主催行事で、あとで新聞の1面にデカデカと写真が出て、往生しました。今では考えられないことですが、御所の中を自由に走り回り、玉座に座ってみたり、トイレをのぞいたり、したい放題。きっとそのころの、宮内庁が抵抗しようもない、進駐軍の占領教育政策の一環だったのでしょう。御所のトイレは畳敷きで、便器には赤い房のついた黒塗りの蓋。喫煙具や書棚まであり、用を足しながらタバコを吸ったり、本を読むことは、かならずしも行儀の悪いことではないのだ、と知ったのでした。
by yagi070 | 2007-01-08 15:54 | 展覧会
<< 季節の壁紙~マンリョウ 季節の壁紙~クロマツ >>