鍋島展

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東洋陶磁美術館の「鍋島」展(3月25日まで)を見てきました。私はどちらかというと、鍋島はあまり好きではなかったのですが、この展覧会は堂々たるもので、鍋島を鑑賞するのには、絶好の機会です。関が原で西軍についた肥後・鍋島藩は、幕府による取り潰しを避けるためもあり、自藩で制作した磁気の逸品を、毎年将軍家や、幕府の要路に献上、それが幕末までつづきました。技術の流失を防ぐために、山中に藩窯を移し、厳重な情報管理の中で、鍋島は日本磁器最高の地位を獲得します。吉宗の緊縮政策で贅沢品が禁じられると、それまでの華麗な色絵を放棄、地味な染付けだけにしぼるなど、時勢に対応した歴史もあり、それをわかりやすく時期を分けて展示してあります。
好き嫌いはあっても、鍋島優品の繊細、精緻、一点もゆるがせにしない完成度の高さには、うならせられます。会場では日用の鍋島も販売していますが、小さいものでも結構なお値段です。
by yagi070 | 2007-03-15 18:27 | 展覧会
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